
「手に職をつけて、地域に貢献!治療家としての使命を語る」
お 名 前:Y・M【ご本人のご要望によりイニシャルとさせていただいております】 |
Q.現在のお仕事について教えてください。
現在、鍼灸接骨院に勤務し、患者さんの治療を行っています。
腰痛や肩痛、スポーツ疾患など、さまざまな症状の患者さんが来院されるため、それぞれに合った施術を行っています。
手技療法や電気治療、鍼や灸を組み合わせながら、患者さんの痛みを和らげるお手伝いをしています。
実は、「病院で診てもらっても異常なしと言われたけれど、痛みや痺れなどの不定愁訴に悩んでいる」という患者さんは非常に多いです。
そうした患者さんに対して適切な治療を提供することが私の仕事です。
※不定愁訴・・・身体への明らかな異常が無いにも関わらず、さまざまな症状を訴える状態を指す医療用語
Q.なぜこの仕事を目指そうと思ったのですか?
高校1年生のときに足首を捻挫したことがきっかけでした。
最初は歩くのもつらかったのですが、接骨院の先生に治療をしてもらい、歩けなかった足が歩けるようになりました。
そのとき、「手術や薬に頼らず、手だけで治療する」姿に感動するとともに、「こんな方法で治すことができるんだ」と、自分の常識が覆されました。
その経験を通じて、私も同じようにケガをした人を助けたい、治療をしたいと考えるようになりました。
昔から親に『手に職をつけなさい』と言われ、柔道整復師の仕事を一度勧められたことがあったのですが、当時はあまりピンときていませんでした。
しかし、自分が実際に怪我をして治療を受けたことで、その大切さを身をもって実感し、この道を志す決意が固まりました。
Q.実際に働いてみてどうですか?
この仕事で一番のやりがいは、患者さんから「楽になった」「ありがとう」と感謝の言葉をいただけることです。
特に、痛みで日常生活に支障をきたしていた方が施術を通じて回復し、笑顔で帰られる姿を見ると、この仕事を選んで本当に良かったと感じます。
反面、実際に働いてみると教科書通りにいかないことが多く、症状の原因を探る難しさを痛感しました。
また、医療の世界は日々進歩しているため、常に新しい知識を学び続ける必要があります。
治療家としての勉強は終わりがなく、生涯を通じてスキルを磨き続ける仕事だと実感しています。
Q.仕事を通しての目標について教えてください。
将来的には、自分の鍼灸接骨院を開業することを目標にしています。
そのために柔道整復師の資格だけでなく、鍼灸師の資格も取得しました。
鍼や灸を使った施術を取り入れることで、より幅広い症状に対応できるようになり、患者さんにとって最適な治療を提供できると考えています。
また、単なる治療院ではなく地域の方々が気軽に相談できる『地域密着型の治療院』にしたいと考えています。
医療の現場にありがちな“先生と患者”との壁をなくして、誰でも相談しやすい環境をつくり、体調の些細な変化や悩みでも気軽に話せるような治療院にしていきたいと思っています。
Q.仁川学院時代に学んだことで今の仕事に生きていることはありますか?
患者さんとの接し方や、後輩への指導の際に役立っていると感じます。
高校時代、茶道部の部長を務めていたのですが、部員に指示を出す際に「どう声をかけたら部員が気持ちよく活動できるか」をすごく意識していました。
当時、学校生活に馴染めなかった部員が「茶道部があるから学校に来られる」と言ってくれたことを、保護者の方から顧問の先生を通じて感謝の言葉をいただいたことがあり、部活の雰囲気作りに気を配ったことが誰かの支えになっていたことを実感したのを今でも覚えています。
今の職場でも人に何かを伝える際には、相手の立場に立って言葉を選び、良い環境を作ることが大切だと感じています。
Q.仁川学院卒業後は、どのようにしておられましたか?
卒業後は、柔道整復師になるために大学へ進学しました。
大学では授業だけでなく実習や研修もあり、現場で学ぶ機会が多かったですね。
特に印象に残っているのは、名古屋のマラソン大会で学生トレーナーとして選手のケアをしたことです。
実際に学んだことを活かせたのは貴重な経験でした。
Q.仁川学院時代の印象に残っている思い出はありますか?
茶道部で部長を務めた時の学院祭が、思い出に残っています。
高校1年生の頃から「自分が部長になったら、しっかり計画を立てて、みんなが力を発揮できる環境を作りたい」と考えていたので、部長になってからは練習も準備も計画的に進めました。
そのおかげで、学祭当日はスムーズに進み、お客様にしっかりお点前を披露することができました。
頑張って準備した分、成功した時の達成感は大きかったですね。
さらに後輩たちが「学祭が楽しかった」「部活がすごく良かった!」と言ってくれていたのを知って、自分の取り組みが誰かの楽しい思い出になったんだなって思うと、嬉しかったです。
一問一答
Q.仁川学院に入学しようと思ったのは何故ですか?
小学6年生の時に見学へ行った際の印象がとても良かったからです。
在校生の方々が自然に「こんにちは」と挨拶をしてくれた姿がとても礼儀正しく、温かい雰囲気を感じましたので入学を決めました。
Q.あなたが思う仁川学院の一番いいところを教えてください。
生徒・先生問わず優しい方が多いところです。
先生方もとても温かく、生徒一人ひとりに寄り添ってくれる方が多いなと思います。
Q.もし、今の記憶のまま仁川学院時代に戻れるとしたら何をしますか?
英語の勉強に専念すると思います。
仕事の中でも英語を話す方と接する機会があり、「もっと英会話ができれば、よりスムーズにコミュニケーションが取れるのに…」と感じることがありますので(笑)
Q.仕事や趣味で繋がりたい方がいましたら教えてください。
治療家同士で情報交換ができたらいいなと思います。
Q.最後に仁川学院学生の皆様にメッセージをお願いします。
将来のことを考えるようにと言われても、「正直まだよく分からない…」と思うこともありますよね。
進路を決める、大学を選ぶといった選択を迫られても何が自分にとって最適なのかすぐには分からないものです。
まずは、さまざまなことに挑戦し、経験を積んでみてください。
そうすることで視野が広がり、自分に合った道が少しずつ見えてくるはずです。
経験を重ねることで、「これをやってみたい」「こんな未来を目指したい」といった気持ちが自然と生まれてくるでしょう。
大切なのは、今の段階で完璧な答えを見つけようとするのではなく、目の前のことに全力で取り組むことです。
その積み重ねがきっと皆さんの将来の大きな力になります。
皆さんがたくさんの経験を通して、自分らしい道を見つけていけることを願っています。応援しています!
インタビューを終えて
今回取材を受けてくださったY様は同窓会の学年幹事として日々、同窓会の行事に尽力してくださっています。
今回のインタビューも「母校に貢献したい」との思いからご協力くださいました。
特に印象的だったのは、高校時代の捻挫の経験が、治療家を志す大きなきっかけとなったというエピソードです。
自らが助けられた体験があるからこそ、今度は誰かの力になりたいという強い想いが伝わってきました。
さらに、将来的には地域の方々が気軽に相談できるような温かい治療院を開業したいという目標をお持ちであり、その根底には「自分が受けた恩を誰かに還元したい」というY様の優しさと使命感があるのだと感じました。
Y様、お忙しい中インタビューに快く応じていただきありがとうございました。